単元09 物権変動・対抗要件
不動産を買ったとき、その所有権はいつ移るのか——答えは「契約した瞬間」です(民法176条)。引渡しも登記も不要です。しかし、他の人との関係ではそれだけでは足りません。第三者に「自分が所有者だ」と主張(対抗)するには、登記が必要です(民法177条)。
【例で確認】 AがBに土地を売った。ところがAは同じ土地をCにも売ってしまった(二重譲渡)。Bは「自分が先に買った」と言い、Cは「自分が登記を取った」と言う。この場合、先に登記を備えたCが勝つ。
【なぜか】 不動産は登記簿で権利関係が公示される制度になっているから。「先に買ったか」という事実は外部からは確認できないが、登記は誰でも確認できる。そのため法律は「登記の先後」を優先基準にしている。
この単元の論点(7)
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- キーワードの理解物権変動 :所有権・抵当権などの物権が発生・変更・消滅すること 意思主義 (民法176条):物権変動は当事者の意思表示だけで生じる。登記・引渡しは成立要件ではない 対抗要件 :第三者に権利変…
- 二重譲渡と登記の先後AがBに売り、続けて同じ不動産をCにも売る——これが 二重譲渡 。 決め手は「 先に登記を備えた者 」(民法177条) 契約日の先後は一切関係ない (※注意:「先に契約したBが優先される」は…
- 登記なしで対抗できる相手次の者は「第三者」にあたらないため、 登記なしでも対抗できる 。 不法占拠者・不法行為者 :正当な権原がなく占拠しているだけ。保護に値しない 一般債権者 (差押え前):不動産自体に権利を持っ…
- 取得時効と登記取得時効(占有継続)にも登記の問題が絡む。判断基準は第三者が 時効完成の前に現れたか後に現れたか 。 時効完成前 に第三者Cが取得・登記した場合 → 時効取得者Aは 登記なしで 対抗できる …
- 解除・取消しが絡む対抗関係「○○前」か「○○後」かで登記の要否が変わる。特に 解除と取消しで扱いが異なる 点に注意。 取消し前の第三者(詐欺・錯誤) :善意無過失の第三者は保護される(登記不要) 取消し後の第三者 :…
- 相続が絡む対抗関係相続場面も頻出。 相続放棄と遺産分割 で扱いが異なる。 相続放棄と第三者 :放棄は相続開始時に遡及して効力を生じる。放棄者は最初から相続人でなかったことになる(無権利者)。登記があっても真の…
- 動産物権変動の対抗要件動産の物権変動の対抗要件は 引渡し (民法178条)。登記制度はない。 引渡しには4種類ある。 現実の引渡し :物を直接手渡す(最も典型的) 簡易の引渡し :買主がすでに物を占有している場合…
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