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試算表

簿記3級 無料テキスト 単元30/第8章 決算 ― 1年をしめくくる/重要度 ★★★/出題箇所 第2問/読む目安 45分 登録不要で読めます

ここだけ読めば

試算表は、総勘定元帳の各勘定を1枚に集めた検算表です。すべての仕訳で借方と貸方が同額なので、試算表の借方合計と貸方合計も必ず一致します(貸借平均の原理)。

この単元を読み終えるとできること

合計試算表・残高試算表・合計残高試算表の3種類を区別できるようになります。試算表が必ず一致する理由と、一致しても見つからない誤りがあることを説明できるようになります。ミナタカ商事の決算整理前残高試算表を自分で組めるようになります。

なぜこの順番でここに置いているか

試算表は、転記が正しく行われたかを確かめるための集計表です。決算のスタート地点でもあります。ここが合っていないと、この先の決算整理も財務諸表もすべてずれます。第2問でも第3問でも土台になる論点です。

試算表は転記の検算

仕訳から総勘定元帳へ転記したあと、各勘定の金額を1枚に集めたものが試算表です。

目的は検算です。すべての仕訳は借方と貸方が同額なので、それを全部足し合わせた試算表も、必ず借方合計と貸方合計が一致します。これを貸借平均の原理といいます。

一致しなければ、どこかで転記を間違えたということです。逆にいえば、試算表は誤りの有無を機械的に検出する仕組みです。

試算表には3種類あります。

種類何を集めるか
合計試算表各勘定の借方合計と貸方合計
残高試算表各勘定の残高(借方と貸方の差額)
合計残高試算表上の2つを1枚に並べたもの

当座預金を例にします。借方の合計が2,300,000円、貸方の合計が1,460,000円だとすると、

と書きます。同じ勘定を、そのまま載せるか差引後を載せるかの違いです。決算で使うのは残高試算表のほうです。

3種類といっても、列を出し入れしているだけです

ミナタカ商事の決算整理前残高試算表

期中の13本の仕訳を転記して集めると、次の残高試算表になります。

━━ 決算整理前残高試算表(×2年3月31日) ━━
借方              貸方
現金       128,000
当座預金   840,000
売掛金     400,000
備品       300,000
仕入       800,000
給料       240,000
支払家賃   240,000
保険料     120,000
通信費      36,000
水道光熱費  16,000
          買掛金     200,000
          借入金     500,000
          資本金   1,000,000
          売上     1,400,000
合計     3,100,000  合計   3,100,000

借方と貸方がどちらも3,100,000円で一致しています。

並び順を見てください。借方に資産と費用、貸方に負債・純資産・収益が並んでいます。これは決まりごとを覚えたのではなく、各勘定の残高が残る側をそのまま集めた結果です(単元4)。

この時点ではまだ決算整理をしていません。だから支払家賃は240,000円のまま(前払分を引いていない)、仕入も800,000円のまま(期末商品を引いていない)です。ここから7本の決算整理仕訳を入れると、合計は3,268,000円になります(単元31〜34と単元16)。

決算整理前残高試算表 ミナタカ商事株式会社 ×2年3月31日

一致しないときの探し方

試算表が合わないときは、差額から原因の当たりをつけられます。

差額の特徴疑うこと
差額がある1つの取引の金額と同じ片方だけ転記した(転記漏れ)
差額が2で割り切れる貸借を逆に転記した(差額÷2が金額)
差額が9で割り切れる桁違いか数字の入れ替え(180と810など)

差額÷2の理由

本来は借方に1,000と書くべきものを貸方に書いたとすると、借方が1,000足りず、貸方が1,000多くなります。差は2,000です。だから差額を2で割ると、間違えた金額が出ます。

一致しても見つからない誤り

ここが大事な点です。試算表は万能ではありません。次の誤りは、借方と貸方が同じだけずれるため検出できません。

つまり試算表が合っていても「正しい」とは限りません。合っていないことは確実に誤りだが、合っていることは正しさの証明にならない、という道具です。だから補助簿との突合(単元26)も併せて行います。

借方と貸方の合計は、絶対に崩れません

この単元の確認問題

答えを見る前に、まず自分の言葉で答えてみてください。言葉にできないところが、そのまま本試験で止まるところです。

Q. 試算表の借方合計と貸方合計は、なぜ必ず一致するのですか。

A. すべての仕訳で借方と貸方が同額だからです。その総和を集めたものが試算表です。

取引を必ず2つの側面で記録する複式簿記の構造そのものが理由です。一致しなければ、仕訳ではなく転記か集計に誤りがあります。

Q. 決算整理前残高試算表の借方には、どんな種類の科目が並びますか。

A. 資産と費用です。

資産と費用は増えるときに借方へ記入する科目なので、残高も借方に残るからです。試算表はその残高をそのまま集めたものです。

Q. 現金で支払ったものを当座預金で処理していました。試算表は一致しますか。

A. 一致します。金額は同じで科目だけが違うため、合計に影響しないからです。

試算表が検出できるのは貸借の金額のずれだけだからです。科目の誤りは、補助簿や実際の残高との突合で見つけます。

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試算表は、読んで分かることと、本番で点になることが別です。点にするための材料はこちらにまとめてあります。

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