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訂正仕訳

簿記3級 無料テキスト 単元29/第7章 帳簿・伝票・証ひょう/重要度 ★★★/出題箇所 第1問/読む目安 35分 登録不要で読めます

ここだけ読めば

帳簿の誤りは消して書き直すのではなく、新しい仕訳を追加して打ち消します。手順は3つです。①誤った仕訳の貸借を逆にして取り消す、②正しい仕訳を書く、③同じ科目どうしを相殺して1本にまとめる。

この単元を読み終えるとできること

誤った仕訳を見つけたときに、それを直す仕訳が書けるようになります。「消してから書き直す」という2段階の手順と、それを1本にまとめる手順を、機械的に実行できるようになります。

なぜこの順番でここに置いているか

帳簿は書き間違えても消しゴムで消せません。あとから取引を書き換えられる帳簿は証拠になりませんし、訂正の履歴が残らないと不正の温床になります。だから誤りは、新しい仕訳を追加して打ち消します。第1問で毎回のように出る割に、手順さえ覚えれば確実に取れる場所です。

訂正は「消す」と「書き直す」の2段階

誤った仕訳を直す手順は、いつも同じ2段階です。

  1. 誤った仕訳の貸借を逆にした仕訳を書く(=取り消す)
  2. 正しい仕訳を書く

この2本を並べて、同じ科目どうしを打ち消せば訂正仕訳が完成します。

例で見ます。ここで使う金額は説明用の数字です(設例外の金額です)。

誤った仕訳:商品30,000円を掛けで仕入れたのに、現金で仕入れたと記帳した

(誤) (借) 仕入 30,000 / (貸) 現金 30,000

手順①:逆にして取り消す

(借) 現金 30,000 / (貸) 仕入 30,000

手順②:正しい仕訳を書く

(借) 仕入 30,000 / (貸) 買掛金 30,000

手順③:2本をまとめる

仕入が借方と貸方に同額あるので、相殺して消えます。残るのは次の1本です。

(借) 現金 30,000 / (貸) 買掛金 30,000

意味を確かめてください。「減らしすぎた現金を戻し、計上し忘れた買掛金を立てる」という仕訳になっています。答えの形だけを覚えるより、この手順を毎回踏むほうが速くて確実です。

訂正仕訳は、消しゴムの代わりです

金額を間違えたとき

科目は合っているのに金額だけ違う、という誤りもよく出ます。手順は同じです。

誤った仕訳:売掛金の回収80,000円を、8,000円と記帳した(設例外の金額です)

(誤) (借) 現金 8,000 / (貸) 売掛金 8,000

①取り消す

(借) 売掛金 8,000 / (貸) 現金 8,000

②正しい仕訳

(借) 現金 80,000 / (貸) 売掛金 80,000

③まとめる

現金は借方80,000と貸方8,000で、差額72,000が借方に残ります。売掛金も同じく貸方に72,000残ります。

(借) 現金 72,000 / (貸) 売掛金 72,000

差額だけを仕訳する形になりました。

逆に、多く記帳してしまった場合

80,000円の回収を800,000円と記帳したなら、差額720,000円を逆向きに仕訳します。

(借) 売掛金 720,000 / (貸) 現金 720,000

多いのか少ないのかで向きが変わるので、必ず①②を書き出してから差額を取ってください。頭の中だけで処理すると向きを取り違えます。

そもそも記帳していなかったとき/二重に記帳したとき

記帳漏れの場合は、取り消すものがありません。正しい仕訳をそのまま書くだけです。

二重記帳の場合は逆で、書きすぎた1本を取り消します。

同じ売上100,000円を2回記帳していた(設例外の金額です)

(借) 売上 100,000 / (貸) 売掛金 100,000

貸借を逆にした仕訳を1本入れて、余分な1本を打ち消します。

科目だけを間違えたとき

通信費とすべきものを消耗品費で処理していた、という場合です。

(借) 通信費 5,000 / (貸) 消耗品費 5,000

誤った科目を貸方で消し、正しい科目を借方に立てます。金額が同じなので、現金などの相手科目は動きません。訂正仕訳で余計な科目を動かさないことが大事です。

いずれの場合も、迷ったら①②を書き出す手順に戻ってください。この手順は例外なく通用します。

この単元の確認問題

答えを見る前に、まず自分の言葉で答えてみてください。言葉にできないところが、そのまま本試験で止まるところです。

Q. 訂正仕訳をつくる最初のステップは何ですか。

A. 誤った仕訳の貸借を逆にした仕訳を書いて、いったん取り消すことです。

帳簿は書いたものを消せないからです。誤りを消すには、反対の仕訳を追加して打ち消すしかありません。

Q. 80,000円の回収を8,000円と記帳していました。訂正仕訳の金額はいくらですか。

A. 差額の72,000円です。

すでに8,000円は正しく記帳されているからです。全額を仕訳し直すと二重計上になります。

Q. 消耗品費で処理すべき支出を通信費で処理していました。現金は動かしますか。

A. 動かしません。通信費を貸方で消し、消耗品費を借方に立てるだけです。

支払った事実と金額は正しく、間違っていたのは科目だけだからです。現金を動かすと残高が実際と合わなくなります。

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