証ひょうから仕訳を起こす
証ひょうとは、取引の証拠になる領収書・請求書・納品書・当座勘定照合表などの書類です。証ひょう問題は新しい論点ではなく出題形式で、日付・金額・相手先・摘要の4つを拾えば、あとはいつもの仕訳になります。
領収書・請求書・納品書・当座勘定照合表といった証ひょうを読んで、必要な数字を拾い、仕訳に起こせるようになります。どの欄を見るかが決まっているので、その手順を身につけます。
実際の経理では、文章で取引が説明されることはありません。手元にあるのは書類です。試験でもこの形式が出るようになりました。読み取る箇所は決まっているので、書類の種類ごとに見る場所を覚えれば、あとはいつもの仕訳です。
証ひょうとは、取引の証拠になる書類
証ひょうとは、取引があったことを裏づける書類のことです。領収書、請求書、納品書、レシート、通帳、当座勘定照合表などがあります。
簿記の記録は、この証ひょうがあって初めて意味を持ちます。証拠なしに帳簿だけがあっても、外部の人は信用できないからです。だから会社は証ひょうを保存する義務を負っています。
証ひょう問題で見る箇所は、どの書類でも共通して4つです。
| 見る箇所 | 何を決めるか |
|---|---|
| 日付 | いつの取引か |
| 金額 | 仕訳の金額 |
| 相手先 | 得意先か仕入先か |
| 摘要・品名 | どの科目を使うか |
難しく見えても、この4つを拾えば、あとは今まで書いてきた仕訳と同じです。証ひょう問題は、新しい論点ではなく出題形式です。
書類ごとの読み方
領収書
お金を払ったこと、または受け取ったことの証拠です。自分が受け取った側か、渡した側かで仕訳が逆になります。手元に相手が発行した領収書があるなら、自分は払った側です。
商品を購入し、次の領収書を受け取った(設例外の金額です)
領収書 ミナタカ商事株式会社 御中 品名:事務用品 金額 8,000円 上記正に領収いたしました ○○文具店
(借) 消耗品費 8,000 / (貸) 現金 8,000
領収書の宛名が自社になっているので、払った側です。品名から科目を決めます。
請求書
まだ払っていない、または受け取っていない段階の書類です。だから掛取引になります。
自社が請求書を受け取ったなら仕入や経費と買掛金・未払金、自社が請求書を発行した(控えがある)なら売上と売掛金です。
当座勘定照合表
銀行が発行する当座預金の取引明細です。入金と出金が並んでいます。摘要欄から相手を読み取り、まだ帳簿に記入していないものを仕訳します。
| 摘要の例 | 起こす仕訳 |
|---|---|
| ○○商店 入金 | 売掛金の回収 |
| △△商事 出金 | 買掛金の支払い |
| 手数料 | 支払手数料 |
| 利息 | 支払利息または受取利息 |
照合表は銀行から見た記録なので、自社の帳簿と向きが逆に感じることがあります。惑わされず、自社にとって現金が増えたのか減ったのかで判断してください。
拾い間違えやすい数字
証ひょうには、仕訳に使わない数字も載っています。ここで拾い間違えると失点します。
①合計と内訳
請求書には品目ごとの金額と、その合計が並びます。仕訳に使うのは原則として合計ですが、送料が別記されている場合は科目が変わることがあります(単元6)。
②消費税
税込金額と税抜金額の両方が書かれていることがあります。税抜方式では本体と消費税を分けて仕訳します(単元23)。合計欄の税込金額をそのまま仕入にしないでください。
③数量と単価
納品書には数量・単価・金額が並びます。金額欄があるならそれを使えば足ります。金額欄がなければ、数量×単価を計算します。
④振込手数料
当座勘定照合表で、代金と手数料が別行になっていることがあります。手数料を自社が負担するなら支払手数料として別に仕訳します。代金に含めてしまうと買掛金の残高が合わなくなります。
日付にも注意
請求書の発行日と、実際に商品を受け取った日(納品日)が違うことがあります。仕訳の日付は取引が行われた日です。書類の発行日ではありません。
電子帳簿保存法により、メールで受け取った請求書はデータのまま保存することが必要になりました。印刷して紙で綴じる保管は認められなくなっています。
この単元の確認問題
答えを見る前に、まず自分の言葉で答えてみてください。言葉にできないところが、そのまま本試験で止まるところです。
Q. 証ひょう問題で最初に確認すべき4つは何ですか。
A. 日付・金額・相手先・摘要(品名)です。
この4つが決まれば仕訳の日付・金額・科目がすべて決まるからです。書類の見た目が変わっても拾う場所は変わりません。
Q. 自社宛の請求書を受け取り、商品を仕入れました。貸方は何になりますか。
A. 買掛金です。
請求書はまだ支払っていない段階の書類だからです。支払い済みなら領収書が発行されます。
Q. 当座勘定照合表に、買掛金の支払い100,000円と振込手数料500円が別行で載っていました。買掛金はいくら減らしますか。
A. 100,000円です。手数料500円は支払手数料として別に処理します。
手数料は買掛金の弁済ではなく、銀行に払ったサービスの対価だからです。含めてしまうと買掛金の残高が仕入先との記録と合わなくなります。
証ひょうから仕訳を起こすは、読んで分かることと、本番で点になることが別です。点にするための材料はこちらにまとめてあります。
- この単元の問題 10問(どこをどう間違えたかまで解説)
- この単元のひっかけ(本試験がどう引っかけてくるか)
- 財務諸表ラボ(切った仕訳が貸借対照表と損益計算書のどこに現れるかを画面で追う)
- この単元をそのまま簿記専用AIチューターに質問できます
- 間違えた問題だけを自動で拾い直す復習リスト
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