消費税
消費税は会社の費用でも収益でもなく、お客さまから預かって国に納めるだけのお金です。そのため3級では税抜方式を使い、本体価格と消費税を分けて記録します。
税抜方式で消費税を処理できるようになります。仕入時の仮払消費税、売上時の仮受消費税、決算での相殺と未払消費税への振替という3段階を、自分で仕訳として書けるようになります。
消費税は、会社にとって費用でも収益でもありません。お客さまから預かって国に納めるだけの通過するお金です。この一点を押さえると、なぜ仮払・仮受という科目を使うのかが分かります。3級では税抜方式だけを扱います。
消費税は会社の損得ではない
商品を売ると、代金と一緒に消費税を受け取ります。仕入れると、代金と一緒に消費税を払います。
この受け払いは、会社の利益とは関係ありません。預かった消費税から、払った消費税を差し引いた残りを国に納めるだけだからです。会社は集金を代行しているような立場です。
だから簿記では、消費税の分を売上や仕入に混ぜません。税抜方式といって、本体価格と消費税を分けて記録します。
| 場面 | 消費税に使う科目 | 性質 |
|---|---|---|
| 仕入れたとき | 仮払消費税 | 資産 |
| 売ったとき | 仮受消費税 | 負債 |
| 決算のとき | 未払消費税 | 負債 |
払った消費税が資産なのは、あとで納税額から差し引ける権利だからです。預かった消費税が負債なのは、国に納める義務だからです。
この単元の金額は説明用の数字です。設例のミナタカ商事は消費税を捨象して作ってあるためです。金額は1,000円単位の丸い数字にしてあります。税率は10%とします。
仕入れたとき ― 仮払消費税
仕入代金と一緒に払った消費税は、仮払消費税という資産で分けて記録します。
商品200,000円を仕入れ、消費税20,000円とともに現金で支払った(設例外の金額です)
(借) 仕入 200,000 / (貸) 現金 220,000 (借) 仮払消費税 20,000 /
仕入の金額は本体の200,000円だけです。220,000円としてはいけません。混ぜてしまうと売上原価が水増しされ、利益が正しく出なくなります。
備品などを買ったときも同じです。消費税がかかるものを買えば、本体と消費税を分けます。
「仮」がついている理由
最終的な納税額は、期末にならないと決まりません。1年分の預かりと支払いを集計して差額を出すからです。それまでは「仮に払っておいた分」として置いておく、という意味で仮払です。仮払金(単元14)と同じ発想です。
売ったとき ― 仮受消費税
売上代金と一緒に受け取った消費税は、仮受消費税という負債で分けて記録します。
商品を300,000円で売り上げ、消費税30,000円とともに現金で受け取った(設例外の金額です)
(借) 現金 330,000 / (貸) 売上 300,000
/ 仮受消費税 30,000売上は本体の300,000円だけです。ここでも混ぜません。
この時点で会社の帳簿には、仮払消費税20,000円(資産)と仮受消費税30,000円(負債)が並んで残っています。両方が残ったままなのは、まだ精算していないからです。精算は決算でまとめて行います。
決算のとき ― 相殺して未払消費税へ
決算になったら、1年分の仮受消費税と仮払消費税を相殺し、差額を未払消費税という負債にします。
期末に仮受消費税30,000円、仮払消費税20,000円があった(設例外の金額です)
(借) 仮受消費税 30,000 / (貸) 仮払消費税 20,000
/ 未払消費税 10,000預かった30,000円のうち、すでに20,000円は仕入先に払っています。国に納めるのは残りの10,000円です。
仕訳の形を見てください。仮受消費税(負債)を借方に書いて消し、仮払消費税(資産)を貸方に書いて消しています。残った差額が新しい負債になります。仮の科目が2つとも帳簿から消えて、確定した1つの負債に置き換わる、という形です。
納付したとき
(借) 未払消費税 10,000 / (貸) 現金 10,000
負債が消えます。法人税等(単元22)と同じく、確定して負債にする→払って消す、という流れです。
仮払のほうが多いとき
設備投資が大きかった年などは、払った消費税が預かった消費税を上回ることがあります。この場合は差額が戻ってくるので、未収入金などの資産になります。3級で問われるのは主に納付するケースです。
インボイス制度の導入では、請求書の確認や会計システムの入れ替えでかなりの手間がかかりました。ただ、その入れ替えで経理全体が整い、いまはむしろ負担が減っています。
この単元の確認問題
答えを見る前に、まず自分の言葉で答えてみてください。言葉にできないところが、そのまま本試験で止まるところです。
Q. 受け取った消費税は、会社の収益になりますか。
A. なりません。国に納める義務なので、仮受消費税という負債になります。
会社はお客さまから預かっているだけで、自分のものにできないからです。収益にすると、利益が実態より大きく見えてしまいます。
Q. 本体200,000円の商品を消費税20,000円とともに仕入れました。仕入勘定はいくらですか。
A. 200,000円です。
消費税は仕入原価ではなく、あとで納税額から差し引ける別のものだからです。仕入に混ぜると売上総利益が正しく計算できません。
Q. 売上330,000円(うち消費税30,000円)を計上しました。売上勘定はいくらですか。
A. 300,000円です。残りの30,000円は仮受消費税です。
消費税分は預かっているだけで、会社の収益ではないからです。売上に混ぜると損益計算書の売上高が実態より大きくなります。
消費税は、読んで分かることと、本番で点になることが別です。点にするための材料はこちらにまとめてあります。
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