固定資産台帳
固定資産台帳は、資産1個ごとに取得年月日・取得原価・期首帳簿価額・当期減価償却費・期末帳簿価額を並べた補助元帳です。帳簿価額とは取得原価から減価償却累計額を引いた残りを指します。
固定資産台帳の各欄が何を表しているかを読めるようになります。台帳の金額と、総勘定元帳の備品・減価償却累計額の残高が一致することを確認できるようになります。期中取得分の月割償却を台帳の上で計算できるようになります。
第2問で台帳の空欄を埋める問題が出ます。台帳は独立した書類ではなく、総勘定元帳と同じ数字を、資産1個ごとにばらして並べたものです。この対応が見えると、空欄はどこかの数字から必ず導けます。
台帳は資産を1個ずつ管理する帳簿
総勘定元帳の備品勘定を見ても、どの備品がいくらで、いつ買ったものかは分かりません。パソコンも机も、まとめて備品300,000円になっているだけです。
そこで資産1個ごとに1行を割り当てて管理します。これが固定資産台帳です。
主な欄は次のとおりです。
| 欄 | 中身 |
|---|---|
| 取得年月日 | いつ買ったか |
| 取得原価 | いくらで買ったか(付随費用込み) |
| 期首帳簿価額 | 期首時点の価値 |
| 当期減価償却費 | 当期に費用にした額 |
| 期末帳簿価額 | 期首帳簿価額−当期減価償却費 |
帳簿価額とは、取得原価から減価償却累計額を差し引いた残りです。「帳簿の上でいくら残っているか」を表します。
ミナタカ商事の備品で見ます。取得原価300,000円、耐用年数5年、残存価額ゼロの定額法なので、1年あたりの減価償却費は60,000円です。
| 年度 | 期首帳簿価額 | 当期減価償却費 | 期末帳簿価額 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 300,000 | 60,000 | 240,000 |
| 2年目 | 240,000 | 60,000 | 180,000 |
| 3年目 | 180,000 | 60,000 | 120,000 |
毎年60,000円ずつ減り、5年で残高がゼロになります。
台帳と総勘定元帳は必ず一致する
固定資産台帳は補助元帳です(単元26)。だから総勘定元帳と一致します。
対応は2本あります。
| 台帳 | 総勘定元帳 |
|---|---|
| 取得原価の合計 | 備品勘定の残高 |
| 取得原価の合計−期末帳簿価額の合計 | 減価償却累計額勘定の残高 |
ミナタカ商事の1年目の期末で確かめます。
台帳 取得原価 300,000/期末帳簿価額 240,000 総勘定元帳 備品 300,000 減価償却累計額 60,000 差引 240,000
一致しました。貸借対照表にもこの形で載ります(単元35)。
第2問の空欄補充では、この対応を使います。台帳の一部が空欄でも、総勘定元帳側の数字から逆算できることが多いからです。逆に総勘定元帳側が空欄なら、台帳の合計から埋めます。どちらか片方が分かればもう片方は必ず出せる、という関係になっています。
期中に買った資産は月割にする
期の途中で買った資産は、買った月から期末までの月数で按分します。1年分を計上してはいけません。持っていなかった期間まで費用にすることになるからです。
×1年11月1日に備品120,000円を購入した(耐用年数5年、定額法、決算は3月31日)(設例外の金額です)
1年分の減価償却費は、120,000円÷5年=24,000円です。
当期に持っていたのは11月から3月までの5か月なので、
24,000円 × 5か月 ÷ 12か月 = 10,000円
台帳にはこう入ります。
| 取得年月日 | 取得原価 | 期首帳簿価額 | 当期減価償却費 | 期末帳簿価額 |
|---|---|---|---|---|
| ×1年11月1日 | 120,000 | ― | 10,000 | 110,000 |
期首帳簿価額が空欄(横線)になっている点に注目してください。期首にはまだ持っていなかったからです。ここに120,000と書いてしまう間違いが多い場所です。期首帳簿価額の欄は、前期から持ち越したものだけが埋まります。
月数の数え方は、取得した月を1か月目として数えます。11月1日取得なら11・12・1・2・3の5か月です。日割ではなく月割で計算するのが3級のルールです。
この単元の確認問題
答えを見る前に、まず自分の言葉で答えてみてください。言葉にできないところが、そのまま本試験で止まるところです。
Q. 取得原価300,000円、減価償却累計額が120,000円のとき、帳簿価額はいくらですか。
A. 180,000円です。
帳簿価額は取得原価から減価償却累計額を差し引いた残りだからです。まだ費用にしていない部分がいくら残っているかを表します。
Q. 固定資産台帳の期末帳簿価額の合計が240,000円、取得原価の合計が300,000円でした。減価償却累計額勘定の残高はいくらですか。
A. 60,000円です。
取得原価から帳簿価額を引いた差額が、これまでに費用にしてきた累計だからです。それが減価償却累計額の残高になります。
Q. 11月1日に取得した備品の、3月31日決算での期首帳簿価額はいくらですか。
A. ありません(横線を引きます)。期首時点ではまだ取得していないからです。
期首帳簿価額は前期末から繰り越してきた金額を書く欄だからです。当期に取得したものは、期首時点で会社に存在していません。
固定資産台帳は、読んで分かることと、本番で点になることが別です。点にするための材料はこちらにまとめてあります。
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