主要簿 ― 仕訳帳と総勘定元帳
必ず作らなければならない帳簿は仕訳帳と総勘定元帳の2つで、これを主要簿といいます。記録される取引は同じで、日付順に並べるのが仕訳帳、勘定科目別に並べるのが総勘定元帳です。
仕訳帳と総勘定元帳の役割の違いを説明できるようになります。仕訳帳から総勘定元帳へ転記する手順を、日付・相手科目・金額・元丁の4点を含めて実行できるようになります。
簿記で必ず作らなければならない帳簿は、仕訳帳と総勘定元帳の2つだけです。これを主要簿といいます。第2問では総勘定元帳の空欄を埋める問題が出ますが、転記が「同じ情報の並べ替え」だと分かっていれば、埋める中身は仕訳から決まります。
主要簿は2つだけ ― 時間順と科目別
帳簿はたくさんありますが、必ず作らなければならないものは2つです。これを主要簿といいます。
| 帳簿 | 並び順 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 仕訳帳 | 日付順 | いつ何があったか |
| 総勘定元帳 | 勘定科目別 | 各科目がいくら残っているか |
中身はまったく同じ取引です。並べ方だけが違います。
なぜ2つ要るのかというと、知りたいことが2種類あるからです。「4月5日に何をしたか」を調べたいときは日付順が便利ですし、「当座預金は今いくらか」を知りたいときは科目別でないと分かりません。
仕訳帳に書いた内容を、総勘定元帳に写す作業を転記といいます。転記は新しい判断をする作業ではありません。仕訳が決まった時点で、転記の中身は自動的に決まっています。
この2つ以外の帳簿は補助簿といって、必要に応じて作るものです(単元26)。
転記の手順 ― 4つを写す
総勘定元帳の各ページには、その科目の増減が並びます。写すのは次の4つです。
- 日付
- 相手科目
- 金額
- 元丁(仕訳帳の何ページから来たか)
ミナタカ商事の6月15日の取引
商品を1,400,000円で売り上げ、代金は掛けとした。
(借) 売掛金 1,400,000 / (貸) 売上 1,400,000
この1本から、総勘定元帳の2つのページに書き込みます。
売掛金勘定(借方に記入)
| 日付 | 摘要 | 金額 |
|---|---|---|
| 6/15 | 売上 | 1,400,000 |
売上勘定(貸方に記入)
| 日付 | 摘要 | 金額 |
|---|---|---|
| 6/15 | 売掛金 | 1,400,000 |
注目してほしいのは摘要欄です。自分の科目名ではなく、相手科目を書きます。売掛金のページには「売上」、売上のページには「売掛金」と書きます。
理由は、そのページを見ただけで取引の中身が分かるようにするためです。売掛金のページに「売掛金」と書いてあっても何も分かりません。「売上によって増えた売掛金だ」と分かるから意味があります。
相手科目が2つ以上あるときは、摘要欄に「諸口」と書きます。
T字勘定 ― 総勘定元帳の略式
本試験や練習では、総勘定元帳をT字勘定という簡略な形で書きます。左が借方、右が貸方です。
当座預金 ───────────────── 4/1 現金 800,000 │ 4/5 備品 300,000 4/1 借入金 500,000 │ 8/31 買掛金 600,000 7/31 売掛金1,000,000│
残高がどちら側に残るかは、科目の種類で決まっています。
| 科目の種類 | 増える側 | 残高が残る側 |
|---|---|---|
| 資産 | 借方 | 借方 |
| 費用 | 借方 | 借方 |
| 負債 | 貸方 | 貸方 |
| 純資産 | 貸方 | 貸方 |
| 収益 | 貸方 | 貸方 |
当座預金は資産なので、増えたときは借方、減ったときは貸方に書きます。残高は必ず借方に残ります。もし貸方に残ったら、預金がマイナスという状態です(当座借越、単元10)。
この「残高がどちら側に残るか」は、試算表の並びの理由そのものです。試算表の借方に資産と費用が、貸方に負債・純資産・収益が並ぶのは、各勘定の残高をそのまま集めているからです(単元30)。
この単元の確認問題
答えを見る前に、まず自分の言葉で答えてみてください。言葉にできないところが、そのまま本試験で止まるところです。
Q. 仕訳帳と総勘定元帳では、記録される取引の中身は違いますか。
A. 同じです。日付順に並べるか、勘定科目別に並べるかが違うだけです。
同じ取引を2つの見方で整理しているからです。片方にしかない取引があれば、それは転記漏れという誤りです。
Q. 総勘定元帳の売掛金のページに、6/15の掛売上を転記します。摘要欄には何と書きますか。
A. 相手科目である「売上」と書きます。
そのページだけを見て取引の中身が分かるようにするためです。自分の科目名を書いても情報が増えません。
Q. 買掛金勘定の残高は、借方と貸方のどちらに残りますか。
A. 貸方です。
買掛金は負債で、増えるときに貸方へ記入するからです。減少(貸方の反対側)が増加を上回ることはないため、残高は貸方に残ります。
主要簿 ― 仕訳帳と総勘定元帳は、読んで分かることと、本番で点になることが別です。点にするための材料はこちらにまとめてあります。
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