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コンピュータの構成要素

ITパスポート 無料テキスト 単元28/第8章 コンピュータシステム/テクノロジ系/重要度 ★★★★/出題箇所 テクノロジ系/読む目安 40分 登録不要で読めます

ここだけ読めば

コンピュータは、演算装置・制御装置・記憶装置・入力装置・出力装置という5大装置から構成されています。中心となるCPUは演算装置と制御装置を兼ね、その処理速度はクロック周波数やコア数で表されます。

この単元を読み終えるとできること

コンピュータを構成する5大装置(演算・制御・記憶・入力・出力)の役割を説明できるようになります。あわせてCPUの性能を表す指標や、RAMとROMの違いを理解します。

なぜこの順番でここに置いているか

コンピュータの構成要素は、ハードウェアに関する問題の土台となる分野です。5大装置の役割を正確に理解しておくと、単元29や単元30で扱う記憶装置・システム構成の内容もスムーズに理解できるようになります。

5大装置とコンピュータの種類

コンピュータの働きは、自動販売機に例えると分かりやすくなります。お金を入れる操作が入力、飲み物が出てくる部分が出力です。中に並んだ在庫や売上の記録が記憶、お釣りを計算する仕組みが演算、そして「このボタンが押されたら、この飲み物を出す」というタイミングを決める仕組みが制御にあたります。コンピュータもこれと同じように、演算装置・制御装置・記憶装置・入力装置・出力装置という5つの役割から成り立っており、これを5大装置と呼びます。

このうち演算装置と制御装置は、多くの場合1つの部品にまとめられており、これをCPU(中央処理装置)と呼びます。CPUはコンピュータの頭脳にあたる部品で、プログラムの命令を順番に読み取りながら(制御)、実際の計算を行います(演算)。

5つの装置は独立して動くのではなく、データをやり取りしながら連携しています。自動販売機で言えば、お金を入れる(入力)、金額を記憶する(記憶)、値段と照合してお釣りを計算する(演算)、出すタイミングを判断する(制御)、商品とお釣りが出る(出力)という一連の流れです。この流れを押さえておくと、ハードウェアに関する問題の多くに対応できます。

コンピュータには用途に応じてさまざまな種類があります。個人が使うPC(パーソナルコンピュータ)のほか、多数の利用者からの要求を処理するサーバ、企業の基幹業務を大量に処理する汎用コンピュータ(メインフレーム)、スマートフォンやタブレット端末、腕時計型のウェアラブル端末といった携帯端末(スマートデバイス)があります。いずれの機器も、内部では5大装置と同じ考え方で動作しています。

PCと汎用コンピュータの違いは、主に扱うデータの量と信頼性の求められ方にあります。PCは個人の作業を目的とした汎用機器であるのに対し、汎用コンピュータは銀行の勘定系システムのように、止まることが許されない大量の処理を長時間にわたって安定してこなすことを目的に設計されています。サーバも同様に、多数の利用者から同時にアクセスされることを前提とした構成になっており、この考え方は単元30で学ぶシステムの信頼性設計にもつながっていきます。携帯端末は限られたバッテリーと大きさの中で5大装置をコンパクトにまとめており、性能や記憶容量はPCより制約されますが、持ち運びやすさという点で独自の役割を持っています。

自動販売機の動作は5大装置のどれにあたるか

CPUの性能とGPU

CPUの処理性能を表す代表的な指標がクロック周波数です。CPUは内部の回路を一定のリズムで動かしながら処理を進めており、この速さを表す単位がHz(ヘルツ)です。例えば3GHz(ギガヘルツ)のCPUは、1秒間に30億回のリズムで動作しています。クロック周波数が高いほど処理速度は速くなる傾向がありますが、これだけで性能のすべてが決まるわけではありません。

もう一つの重要な考え方がコア数です。CPUの中で実際に演算を行う部分をコアと呼び、1つのCPUに複数のコアを搭載したものをマルチコアCPU(デュアルコア、クアッドコアなど)と呼びます。1つしかコアを持たないシングルコアCPUは一度に1つの処理しか進められませんが、マルチコアCPUは複数の処理を同時に進められるため、複数の作業を並行して行う場面で効率が高まります。

近年は、CPUに加えてGPU(Graphics Processing Unit)の役割も重要になっています。CPUは複雑な処理を順番にこなすのが得意な少数の高性能なコアで構成されているのに対し、GPUはもともと画像処理のために設計された部品で、単純な計算を大量に並列で行う多数のコアを持っています。この特性を画像処理以外の計算にも応用する使い方をGPGPU(General-Purpose computing on GPU)と呼び、AIの学習など大量の計算を同時にこなしたい場面で活用されています。CPUは「複雑な仕事を1つずつ丁寧にこなす担当」、GPUは「単純な仕事を大人数で一気にこなす担当」とイメージすると、役割の違いをつかみやすくなります。

このようにCPUとGPUは得意分野が異なるため、多くのパソコンやサーバでは両方を組み合わせて使います。文書の作成やインターネットの閲覧のような一般的な作業はCPUが中心となって処理し、動画の編集や3Dグラフィックス、AIの学習のように同じ種類の計算を大量に繰り返す作業はGPUが担当することで、全体として効率よく処理を進められます。試験では、クロック周波数・コア数・GPUという3つの要素が、それぞれ性能のどの側面に関わるのかを整理して覚えておくとよいでしょう。

主記憶装置とメモリの種類

記憶装置のうち、CPUが今まさに処理しているプログラムやデータを一時的に保持する場所を主記憶装置(メインメモリ)と呼びます。主記憶装置の代表がRAM(Random Access Memory)です。RAMはCPUとの間で高速にデータをやり取りできる反面、電源を切るとデータが消えてしまう性質(揮発性)を持っています。

RAMと対になる存在がROM(Read Only Memory)です。RAMとROMの違いは一言で言うと、書き換えができるかどうかと、電源を切っても内容が残るかどうかです。RAMは自由にデータを読み書きでき、電源を切ると内容が消える揮発性メモリです。一方ROMは、あらかじめ書き込まれたデータを主に読み出すためのメモリで、電源を切っても内容が消えない不揮発性メモリです。起動時に必要な基本的なプログラムなど、書き換える必要のない情報を記録しておく用途に使われます。

なお、ROMという名前ですが、実際には内容を書き換えられる種類のROM(フラッシュメモリ)も存在します。フラッシュメモリは、USBメモリやSSDにも使われている不揮発性メモリの一種で、電源を切ってもデータが消えない性質を活かしています。

RAMには世代ごとの規格があり、DDR3 SDRAMDDR4 SDRAMDDR5 SDRAMのように数字が大きくなるほど新しい規格で、一般に転送速度が向上しています。これらのメモリを基板に接続する部品の形状をDIMMと呼び、ノートパソコンなど小型の機器で使われる小型版をSO-DIMMと呼びます。試験では、RAMとROMを揮発性・不揮発性という切り口で区別できるようにしておきましょう。

「補助記憶装置=長期保存用の倉庫」「主記憶装置=作業机の上」とイメージすると、両者の役割の違いをつかみやすくなります。作業机(主記憶装置)は広いほど多くの資料を広げられ作業がはかどりますが、電源を切ると片付いてしまいます。コンピュータがプログラムを実行する際には、補助記憶装置に保存されているプログラムを、処理の直前に主記憶装置(RAM)へ読み込んでから実行します。主記憶装置の方がCPUとのデータのやり取りが速いためで、この構造は単元29で学ぶ記憶階層の考え方の土台になります。

RAMとROMは何が違うか

この単元の確認問題

答えを見る前に、まず自分の言葉で答えてみてください。言葉にできないところが、そのまま本試験で止まるところです。

Q. コンピュータの5大装置のうち、演算装置と制御装置を合わせて一つの部品にまとめたものを何と呼びますか。

A. CPU(中央処理装置)です。

計算処理を行う演算装置と、命令の流れを指示する制御装置を兼ね備えた、コンピュータの頭脳にあたる部品だからです。

Q. 画像処理向けに設計された、単純な計算を大量に並列で行うのが得意な部品で、AIの学習などにも応用されているものは何ですか。

A. GPU(Graphics Processing Unit)です。

少数の高性能なコアで複雑な処理を順にこなすCPUに対し、GPUは多数のコアで単純な計算を同時に大量にこなせるため、画像処理以外の用途(GPGPU)にも活用されているからです。

Q. 電源を切ると内容が消えるメモリと、電源を切っても内容が消えないメモリを、それぞれ何と呼びますか。

A. 前者はRAM、後者はROMです。

RAMは自由に読み書きできる揮発性メモリで電源を切ると内容が消え、ROMは主に読み出し用の不揮発性メモリで電源を切っても内容が残るという違いがあるためです。

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コンピュータの構成要素は、読んで分かることと、本番で点になることが別です。点にするための材料はこちらにまとめてあります。

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