簿記3級ネット試験の解答方式と、知らないと落とす5つのルール
日商簿記3級のネット試験(CBT)では、仕訳問題の勘定科目をプルダウンから選び、金額をキーボードで入力します。このとき、仕訳の内容が正しくても、入力の仕方だけで不正解になるルールが日本商工会議所によって定められています。紙の試験にはなかったルールです。
ここでは、そのルールを公式の記載にあたって整理します。会場で初めて知ることのないようにしてください。
解答画面はどうなっているか
第1問の仕訳問題は、1つの設問につき次の形で答えます。
| 要素 | 仕様 |
|---|---|
| 勘定科目 | プルダウンから選択。設問ごとに6つの候補が記号(ア〜カ)付きで並びます |
| 解答欄の行数 | 借方4行・貸方4行(固定) |
| 金額 | キーボードで直接入力 |
| 試験時間 | 60分で第1問から第3問まで |
| 配点 | 第1問45点(仕訳15問×3点)/第2問20点/第3問35点 |
勘定科目の候補が6つに絞られている点は、紙の試験と大きく違うところです。候補が見えているので、まったく見当がつかない場合でも当たる可能性は残ります。一方で、6つの中に紛らわしい科目が意図的に混ぜられているため、うろ覚えだと確実に外します。
なお、第1問の画面が試験開始直後に正しく表示されないことがあると公式が案内しています。その場合は画面左下の「第2問」をクリックしてから「第1問」をクリックし直すと直ります。
知らないと落とす5つのルール
1. 金額に「円」やカンマを入れると不正解になる
公式は、金額欄には数字のみを入力するよう定めています。文字や円マークを入力すると不正解です。カンマは入力する必要がありません。
普段の学習で「1,500円」と書く習慣がついていると、本番で手が勝手に動きます。練習の段階から半角数字だけを打つ形に慣れておいてください。
2. 同じ勘定科目を借方の中で2回使うと不正解になる
これが最も多くの人がつまずくルールです。公式は、各設問の解答にあたって、勘定科目の使用は借方・貸方の中でそれぞれ1回ずつとするよう定めています。同じ設問の中で、同じ勘定科目を借方に2回書くと不正解になります。
紙の試験では、同じ科目を2行に分けて書いても採点上は問題になりませんでした。ネット試験では明確に不正解です。
たとえば、複数の費用をまとめて現金で支払った取引で、借方に同じ科目が2つ出てきたら、必ず1行にまとめて金額を合算します。
3. 1行で足りるときに2行目を選んではいけない
借方4行・貸方4行の枠は常に表示されていますが、使うのは必要な行だけです。1行で収まる仕訳なのに2行目のプルダウンで何かを選んでしまうと、その設問は不正解として扱われます。
選んでから「やはり要らない」と思ったときは、空欄に戻してください。
4. 行の順序は問われない
一方で、借方の1行目と2行目が入れ替わっていても、それだけで不正解になることはありません。採点は行の位置ではなく、借方の組み合わせ全体と貸方の組み合わせ全体で行われます。
順序を気にして時間を使う必要はありません。
5. 部分点はない
第1問の仕訳は1問3点です。この3点は、借方と貸方がすべて正しいときにだけ入ります。勘定科目が合っていて金額を間違えた場合、その設問は0点です。
「だいたい合っている」は得点になりません。1問を完全に仕上げることを優先し、迷った設問に時間を溶かさないでください。
第2問だけは例外があります
勘定記入の問題(第2問の(1)で出ることが多い形式)では、1つの勘定の中に同じ相手科目が複数回登場することがあります。この形式に限っては、同じ科目を複数回選んでも問題ありません。
第1問の仕訳とは採点の仕組みが違うためです。ここを混同して、勘定記入で科目をまとめてしまうと、かえって不正解になります。
電卓と計算用紙
画面上に電卓はありません。自分で電卓を持ち込みます。パソコンの計算機能を使うことも認められていません。
電卓は、四則演算のみのものに限られます。印刷機能・音の出る機能・プログラム機能(関数電卓など)・辞書機能があるものは持ち込めません。ただし、日数計算、時間計算、換算、税計算、検算の機能は、音が出ないものであれば使えます。そろばんは、統一試験では使えますがネット試験では使えません。
計算用紙は会場がA4用紙2枚とボールペンを配ります。自分のノートや筆記用具は持ち込めません。使った用紙は全部回収されるので、持ち帰れません。
2枚という枚数は、第3問の決算問題でT字勘定を書き並べるには決して多くありません。どこに何を書くかを事前に決めておくと、当日あわてずに済みます。
合否はその場で分かります
試験が終わるとシステムが自動採点し、合否がその場で表示されます。紙のスコアレポートが渡され、合格していればレポートの二次元コードからデジタル合格証をダウンロードできます。
紙やカードの合格証は発行されません。デジタル合格証はPDFで保存できるので、ダウンロードして手元に残しておいてください。
よくある質問
Q. 勘定科目を手で入力する問題はありますか。
A. あります。公式は「金額や勘定科目名を入力する問題も出題されます」と案内しています。第1問はプルダウンですが、第2問・第3問では入力を求められる場合があります。
Q. 金額を1桁多く打ってしまいました。部分点はもらえますか。
A. もらえません。第1問の仕訳は1問3点の完答判定です。
Q. 借方と貸方を逆に書いてしまいました。
A. 不正解です。金額が合っていても得点にはなりません。
Q. カンマを入れてしまったら不正解ですか。
A. 公式は「カンマを入力する必要はありません」と案内しています。入力してはいけないと明記されているのは文字と円マークです。ただし迷いを残さないため、数字だけを打つ習慣にしておくことをおすすめします。
Q. 統一試験(ペーパー)とネット試験で、出題範囲や難易度は違いますか。
A. 同じです。日本商工会議所は3方式とも出題範囲・難易度は同一で、合格の効力も同じだと明記しています。履歴書には方式を問わず「日商簿記検定試験3級」と書けます。
Q. 試験時間は足りますか。
A. 60分で3題です。第1問の仕訳15問を20分以内に終えて、第3問の決算に30分以上を残すのが一つの目安になります。
出典:日本商工会議所「ネット試験について」(2026年4月1日更新)、「3級 試験科目・注意事項」、公式サンプル問題(3級 第1問〜第3問 サンプル5、2026年4月公開)
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